夜な夜な黒魔術屋

華やかなことは書けない

『サルテ』感想

良く出来た古典的な背景設定に華麗なギミックを詰め込んだソワレのデビュー作、『サルテ』。ある人物の一生を「劇」として振り返る形で派手に物語を進行させるという、物語の「形式美」を強く意識している商業作のロープラでは中々見られない大胆な手法が使…

『White Blue』感想

ピンク映画のような危うい緊張感を放つ「Blueシリーズ」の新作で、Lilim20周年記念作となる本作『White Blue』。このシリーズのユーザーが求めているであろう、男女の欲情と執念が交錯するアダルトエンタメならではの面白さが、すべてここにあり。 以下、ル…

『鎖-クサリ-』のすゝめ

サスペンスものの楽しみ方は人それぞれだけど、わたしの場合は恐怖感と嗜虐心の格闘に苛まれるスリルを味わうことだ。なんて物騒な言葉を使っているけど、別に好戦的な人間ではない。しかし、サスペンスものは確実に人が持つある種の内なる野性を解放してく…

古文と物語

髪はゆふゆふと肩の程に帯びて、かたちもすぐれ、たのみしき様なるを、其れよと見るに、きと胸がつぶれて、いと口惜しく見たてる程に、此の子の我が方を見おこせて、「いざなん、聖のある、おそろしきに」とて内へ入りにけり。 ーー『発心集』 受験生だった…

私が夜の京都の繁華街を好きになった理由

京都といえば、静寂で優雅な古都。繁華街という現代人の「堕落」の象徴は、この町には不相応に思われるかもしれない(いや、きっと不相応に違いないであろう)。しかし、私は京都においてもとりわけ夜の繁華街が好きだ。 堕落とは、すなわち人間の天性である。…