夜な夜な黒魔術屋

GENERALS GATHERED IN THEIR MASSES, JUST LIKE WITCHES AT BLACK MASSES

『脳みそ』

じめじめしたぼくの脳みそ どろどろした赤い血が濡らした痕に カビがたくさん生えている 冷笑的プレジールさえ受け入れ 乾き切ったシュメルツェンを抱擁すれば きっと、ぼくの感情も無差別に助かっていたのに けれどぼくの血は熱く、涙は脆く 腐りきった人間…

『苦行』

(注:未完結) 他の誰でもない、この世のどこかに存在し得た「俺たち」に捧げる愛と狂気の物語。 登場人物 神田 啓(かんだ はじめ) 主人公。K大演劇部部長兼脚本ライター、古典文芸に造詣が深い故に意識が高いとよく皮肉られるが、本人は「あくまでエンタ…

『帰郷』

故郷の梨湘に十年ぶりに帰省したのは、母親と自分の帰化手続きを済ませるためだった。故郷を離れるために帰郷するという奇妙な体験を、生まれて初めてするのだった。役所は閑散としている。窓口で国籍離脱の届出をして、証明書を受け取る。呼び出し番号が大…

私なりの『魔女こいにっき』の楽しみ方 その壱

諸君はどんな思いでこの作品を手に取ったか私には知る術がない。新島氏のファンだからかもしれないし、単純に口コミで興味を持ったからかもしれないし、店頭で偶然出会って一目惚れしたなのかもしれない。まあ、いずれにせよどこかしら魅力的に思えるところ…

『もののあはれは彩の頃。』感想

冬茜トム氏の作品は『アメグレ』に次ぎ、本作がプレイした二作目となる。元より氏のテキストがこういう作風だったかは定かではないが、ずばりと要点を突く簡潔な会話文に、三人称の語り手が淡々と補足説明を加えるようなテキストは大変読み心地が良く、好感…

『夏夢夜話』のすゝめ

KIDといえば、唯心論を織り込んだ頽廃的な世界観と淡々とした語り口を武器にして、どこまでも郷愁を誘う諦念が漂うような、現実と幻想を自由に往来する道楽精神を貫き通したメーカーさん、そんなイメージがあった。さて、自分の中ではKIDを過大評価している…

『火箭 ゆるすまぢ』感想

「恋」に纏わるありとあらゆる話の背後にある、幸せの絶頂に立たされる者が決して目を向けようとしない影なる存在、それが「浮気」である。本作はその「浮気」を切口に、勘違いと思い込みに揺れ動く繊細な「恋」の在り方に焦点を当てている。勝手に間男に夢…